カテゴリー「研究メモ」の記事

2013年5月 9日 (木)

クレート

海洋観測機器を現地運用する際、よくスーパーで見かける、牛乳パックを12本ぐらい入れて運搬するプラスティックコンテナにいれて使うと便利という話を聞きました。購入しようとしたのですが、名前がわからず調べていたところ、「クレート(通い箱)」ということがわかりました。早速何個か注文してみます。

2012年12月11日 (火)

ICP-AESでのアルカリ土類分析

サンゴは炭酸カルシウムの骨格を作ります。このサンゴ骨格の化学成分には水温や塩分などの環境因子に強く依存する物(環境指標)があります。その中で水温依存性を示す物としてアルカリ土類金属元素の濃度比としてMg/Ca比[1], Sr/Ca比[2]などがあります。

アルカリ土類金属はICP-AESで分析可能です。分析条件のメモ書きです。念のため各元素とも複数波長での測定をおすすめします。バックグラウンドが時間変動しますので、骨格であるCaに対して薄い濃度の元素(Mg,Sr)は要注意、ブランク試料を頻繁に測定してバックグラウンドレベルのモニタリングが必要。

標準試料として産業技術総合研究所地球科学情報研究部門が頒布している粉末ハマサンゴ(JCp―1)があるそうです[3]。

Handbook of Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy
CRC press, Ahsa Varmaより

Mg
分析波長:
279.55nm(検出限界0.1ppb,上限4ppm)
280.27nm(検出限界0.2ppb,上限8ppm)
285.21nm(検出限界0.4ppb,上限65ppm)
279.81nm(検出限界10ppb,上限650ppm)
279.08nm(検出限界20ppb,上限>1000ppm)

分光干渉
 近接線としてMnの279.80nm有り
 VやFeが高濃度で共存している場合は279.81nmは非推奨
 Crが共存する場合285.21nmのバックグラウンドが上昇する
 Vは280.27nmで干渉あり

Ca
分析波長:
393.37nm(検出限界0.2ppb,上限2ppm)
396.85nm(検出限界0.3ppb,上限3ppm)
317.93nm(検出限界6ppb,上限300ppm)
315.89nm(検出限界10ppb,上限500ppm)

分光干渉
 393.37nm 396.85nmには無し
 Coが共存の場合315.89nm干渉有り
 
 高濃度の鉄が共存の場合はあ317.93nmに干渉有り

要バックグラウンド補正

Sr
分析波長:
407.77nm(検出限界0.2ppb,上限4ppm)
421.55nm(検出限界0.3ppb,上限8ppm)
346.45nm(検出限界7ppb,上限800ppm)

分光干渉
 存在しない

[1]Mitsuguchi, T., Matsumoto, E., Abe, O., Uchida, T. and Isdale, P. J. (1996) Mg/Ca thermometry in coral skeletons. Science 274, 961―963.。

[2]Smith, S. V., Buddemeier, R. W., Redalie, R. C. and Houck, J. E. (1979) Strontium-calcium thermometry in coral skeletons. Science 204, 404-407.

[3]岡井貴司,鈴木淳,寺島滋,井上麻夕里,野原昌人,川幡穂高,今井登(2004)産総研地球化学標準物質JCp―1(サンゴ),Ct―1(シャコガイ)の共同分析結果.地球化学,38,281―286.

2012年12月 2日 (日)

岩石の分類

講演会でのメモ書きです。

火成岩:地下深部現象のスナップショット

変成岩:地下深部現象のレコーダー

堆積岩:表層物質循環のレコーダー

海洋地殻は2億年前の物しか存在しない(プレートに乗って沈み込んでしまう)。一番古いのは日本海溝の東側など。

大陸地殻は30億年を超えたものがある。

2012年11月28日 (水)

海洋基本計画策定

総合海洋政策本部参与会議意見「新たな海洋基本計画の策定に向けての意見」が野田首相に手交されたそうです。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/sanyo/sanyo_iken.html

2012年3月 1日 (木)

ICP-AESとICP-MS

元素分析装置として、ICP-AES(発光分析装置)とICP-MS(質量分析装置)があります。どちらも6000-10000K の状態にあるアルゴンププラズマ中に霧状の溶液試料を導入し、気化および原子化さるところまでは共通しています。その後AESは発光をプラズマの外から観測する、MSはプラズマ中から元素そのものを装置内に引き込んで分析するという違いがあります。

ICP-MSの利点
・感度が良い(特に80以上の重い元素)。pptレベルまで観測可能。
・同位体分析ができる。
ICP-MSの弱点
・原子量が80以下の軽い元素は測定が難しい。
 Ar2 = 80。Ar = 40,  ArO = 56など分子量が同じとなる分子が干渉する。
・溶液試料中の溶存総濃度を50ppm程度に抑える必要がある。
 濃い溶液を噴霧した場合、多量の不要な元素も原子化され装置に引き込まれる為
 装置の質量分析部が汚れてしまうため。

ICP-AESの利点
・汚れに強く、溶液試料中の溶存総濃度はとくに制限がない
 (あまり濃すぎると導入部が詰まったり、プラズマを作っている
  トーチにこびりついたりしします)。
 プラズマからの光を観測しているので、元素濃度が多くなっても
 検出器に汚れはつかないため。
・80以上の重い元素も、80以下の軽い元素もppbレベルでは観測可能。
・マルチチャンネル検出器がついていれば多項目同時分析が可能。
ICP-AESの欠点
・検出限界はppbレベルとICP-MSほどの感度は無い。
・同位体分析はできない。

どちらも利点、欠点がありますので分析対象に応じて使い分けます。

2011年12月31日 (土)

アメリカの小・中・高校について

アメリカの小・中・高校について調べました。中学校といえば英語でjunior high schoolと習っていますが、2000年現在アメリカ全土でjunior high school (7-9学年)はなんと学校数の870校しかありませんでした。代わりになるのがミドル・スクールmiddle schoolという小6~中2相当の6-8学年制の学校で、2000年現在で学校数は約8600校存在しています。ミドルスクールには6-8の他7-8 5-8などの学年制があります。米国では6-3-3の12年では無く、5-3-4の12年がメジャーです。

http://hdl.handle.net/10126/4830